京都府南丹市美山

「古きよき…」そんな言葉が自然と出てくる町へ行ってきました。

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京都の真ん中辺りから流れる由良川沿いの谷間を抜けると、
少し開けた田畑が広がっていて、その向うの山裾には
茅葺き屋根の集落が存在しています。

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川に沿って建てられた民家のうちおよそ250棟は、
昔ながらの茅葺き民家で、特にこの写真の北集落は茅葺き民家が
多く残っていて、自然の景観と茅葺き民家がうまく調和して、
日本の農村の原風景とも言うべき風情を見事に残していました。

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この集落は、1993年に文化庁の「重要伝統的建造物群保存地区」
に選定されたそうです。

伝建地区選定後、 美山では「かやぶきの里保存会」
を組織して、歴史的景観の保全と住民の生活を両立しようと
さまざまな検討を重ねてきたそうです。
その結果として、地域住民が出資して「有限会社かやぶきの里」
を設立し、建物の維持管理や観光施設としての運営を組織的に
行うようになったとの事。

観光地となっていますが、住民の方々はもちろん実際に今でも
この茅葺の民家で生活をされています。
また新たに立ったと思われる家は木造和瓦葺き、又はトタン屋根で、
できるだけこの景観を損なわないよう努めているように思えました。

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塀や生垣で覆わないとても開放的な構造なので、
住むには色々と大変なことも多いと思いますが、
それでも大切にこの建物とそこに残る雰囲気を
壊さないようにと地域の方々が協力し合い生活されている事が
ひしひしと伝わって来ました。
この地区、建物に自信と誇りがあるからこそ
住民の方々が一丸となれるのでしょうね。

景観に対する意識の高さがあればこのように調和のとれた
美しい日本の町並みがもっと残っていたのでしょうか。

コメント

  1. 瓦廊 より:

    努力!
    いろんな意味で壁のない、ゆとりのある暮らしが当たり前になるために…何十年、何百年後がそうなるよう、今こそ努力すべき時なのでしょうね。
    この仕事を通じてでも出来る事はたくさんありそうです。

  2. 瓦人 より:

    素晴らしい・・・
    今の時代、人と人の間に必要なのは、物理的な壁と精神的な壁を取り除く努力をすることです。この塀や生垣のようにね・・・。まさしく21世紀はココロの教育の時代ですね。

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