茅葺き屋根について

昨日に続いて美山のこと。
瓦と同じ伝統ある屋根材なので、茅葺き屋根について
少し調べてみました。

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茅葺(かやぶき)とは、植物を材料にして葺く家屋の屋根の構造の一つで
稲わらや麦わらを中心に使って葺く地域では藁葺(わらぶき)
という場合もあるようです。
日本だけの文化かと思っていましたが、イギリスやドイツなど、
世界で広く見られる屋根だそうですね。

茅葺き屋根の維持のためには数十年毎に葺き替えをする必要があると。
一時、茅葺き職人の後継者がいなくなりそうだったようですが、
近年、住民の中から新たな職人が誕生しているようです。
若い人もこの文化を残そうと頑張っておられると聞きました。

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以下資料より…

ここ美山と、隣の日吉という町は日本で最も多くの茅葺き民家が
残っていると言われています。
農家の急勾配な茅葺き屋根は斜めに丸太をもたれさせあってつくる
「合掌造り」(世界遺産の白川郷等で有名)が全国的に広く行われてきたようですが、
この辺りでは束(柱の短いもの)と梁を縦横に組んで、
屋根の強度を生み出しています。
これは伊勢神宮や出雲大社と通じる構造形式です。

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屋根の頂上部には雨仕舞いのために特別に沢山の茅を載せます。
その押さえ方がこの地方独特で出雲大社の千木(ちぎ)に似た
木材を棟に跨らせて結わえています。
これを「ウマノリ」と呼び、ウマノリを互いに結ぶように
水平に載せた細い丸太は「ユキワリ」と言います。

屋根の頂上部がよく分かる写真を撮ってなくてすみません…。

参考:別冊太陽「日本の町並みⅠ」

茅(かや)について。

茅とは屋根を葺く草の総称のことで、茅という植物はありません。
茅の材料には、すすきの他に葦(ヨシ)などイネ科の多年草が使われるそうです。

町を見渡すと立てて茅を干しているのが目に入りました。
とても大きく人の背より高くそびえて干される茅の群には
少し驚きました!

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美山で感じました。
瓦屋根とはまた違った和のカタチ。
地方の特色が分かるこのような景観は心が和みます。
町づくりは人をも育てるのでしょう。
やはり「景観」は重要なことです。
色んな町を見るたびに思い知らされます。

コメント

  1. 瓦廊 より:

    早速
    早速拝見させていただきました。
    ありがとうございます。
    勉強になりました!

  2. ルナルナ より:

    わらぶき&かやぶき
    茅葺きについて私のブログを参照して下さい

    http://blogs.yahoo.co.jp/runarunanotabi_part2/12074094.html

    http://blogs.yahoo.co.jp/runarunanotabi_part2/12149883.html

  3. 瓦廊 より:

    こんにちわ
    建竹空間さん、見てくれてたんですか~。
    コメントありがとうございます!
    HP、今後少しずつ充実させていこうと思っています。
    瓦坐、気に入ってくれたみたいで、嬉しいです!

    恥ずかしながら美しい景観とか日本の町並みについて、この仕事に携ってからようやく意識するようになりました…。
    今思えば、昔から常に建竹空間さんの視線、考えの中には景観というキーワードがありましたね。
    この頃は行動をともにする時(メッキリ減ったけど…)その視点を密かに観察して、勝手に勉強させてもらってます(笑)

    似たり寄ったりの町が多い中、伝建地区でしか日本を感じられる町並みはないようになりつつありますね。
    観光地となることの良し悪しはあるのだろうけど、そこへ訪れた人たちが何を思い、何を感じとるかにもよるのだと思います。

    今有る物を残していくだけではなく、新たな町並みを築いていくこと。
    容易ではないけどその一端を担える仕事をしていきたいですね!

    建竹空間さんの今後の活躍期待してます!
    仕事ぶりを見に和歌山へもお邪魔したいと思います。
    また気軽にコメントくださいね~。

  4. 建竹空間 より:

    僕も美山には行ったことがあります。
    こんばんわ。
    HPが新しくなったとのことで、拝見させていただきました。 いや~かっこいいHPですね! 鬼瓦の迫力と渋さが最高にいい感じにでていると思いました。
    瓦坐も想像してたよりも、ずっとおしゃれ(失礼ながら)でしたよ。今度、淡路に遊びにいった折は、ぜひ各デザイン共手に入れたいと思います。

    僕も以前、美山に行ったことがあります。
    茅葺屋根の集合体が美しく、感動したのを覚えています。
    僕の住んでいる和歌山県ではまったく見られない風景でした。
    もともとは日本全国にそれぞれの風土にあうように、知恵や工夫を凝らした家々が普通にあったんでしょうね。
    今はどこに旅行をしても似たような町並みばかりで、たまに古民家がのこされていても隣にタイル調のサイディングの家なんかが建増しされていたりして興醒めすることが少なく無いです。

    かといって美山は、意図的に保存することで景観自体は保たれていますが、本来主役のはずの畑仕事や野良仕事に精を出す村人たちよりも、観光客ばかりが目に付きました。
    街から遠く山深いはずの寒村に、入れ替わり立ち代わりゾロゾロと歩く人波に違和感を感じてしまいました。(僕もそのうちの一人やけど)
    なんか、動物園に天然記念物を見に行くのと似た感覚だと思います。

    もっと身近にあたりまえに、現代にそった美しい街の風景ができていくようにできないのかと考えさせられました。

    瓦廊さん、今後とも参考にさせていただきます。

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