窯出し。

焼きたての瓦。
出すときの窯の中の温度は30~40度くらい。
これからの時期は熱くて大変です。

焼けた瓦を窯から出していくのですが、
窯に入れるとき、毎回大小のレンガで棚を組みつつ、白地を入れていきます。
出すときも、レンガの棚を崩しながら瓦を出していきます。
毎回入れる瓦の種類が様々なので
その都度手作業です。

焼きたての瓦の表面にはいぶしの工程で出る煤が
瓦を覆っているので、窯から出したあと
一つづつ刷毛で掃っていかなければいけません。

煤を払ったあと、包装してようやく出荷となります。
窯は昔のような達磨窯ではなくガス窯ですが
作るときはもちろん窯の積み出しから包装まで
昔と変らずあらゆる工程で人の手は欠かせないのです。

先日大先輩の瓦師の方が
「私たちは伝統産業の伝承者として……」
というお話をされていました。

この言葉がすごく心に残っています。
自分にはそういう意識がまだまだ低い気がします。
新しい試みにチャレンジすることも大事ですが
いぶし瓦の歴史、文化、技術等々を私たち以降の世代にも
しっかり残し伝えていかなければならないと言う
責務があることを忘れないよう心しておかなければ!
と改めて思ったのでした。

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